「頑張れ」


私はこの言葉が嫌いです。


もう一つ嫌いなのは「ファイト」


物心付いた頃は、スポ根ドラマが全盛期で、サッカーやらソフトボールをしていたのですが、「頑張れ」「ファイト」「負けるな」などというかけ声を何の疑問も持たずに大声で発していました。そうそう、もう一つ、「ガッツ」なんて言葉も流行っていましたっけ。思えば右肩上がりで成長していく高度成長期の日本は、世の中すべてが「頑張れ」だったの鴨しれません。勉強も「頑張って」一流大学、そして一流会社へ、という流れでしたからね。


時が経ち、私は「急性心筋梗塞」で死にかけました。その直前まで仕事をしていて、連日深夜までの残業をこなし、3本のプロジェクトの計画書をとりまとめ様としていた私。


なんで、こんなにしてまで自分を犠牲にしなくてはならないのだろう・・・と薄れ行き意識の中で感じました。


意識が戻ったとき、自らの目からは大粒の涙が流れ、目の前には涙を流す子供達や嫁さんの顔がありました。あぁ、生きている、そう思ったとき、もう絶対「頑張る」のはやめよう、と思いました。「頑張る」や「ファイト」なんてかけ声で人はどこまで追いつめられていくのか、身をもって知った私はそれ以降この言葉を発していません。


たとえば、登校拒否を起こした子供に「頑張って学校に行って」とか「まわりに負けているから学校になんていけなくなるんだよ」などと説教をする親がまだ後を絶たないのは、その言葉で重圧を感じる心理を理解出来ないからかもしれませんが、世の中の多様化に併せて些細だと思う言葉でも意味をしっかり考えて使うようにしたいと思います。

だから、私はレースに臨むときに、自らにも仲間にも「楽しんできて!」と声をかけるように心がけています。
荒川では当然思いっきり楽しんで走ります。自らのタイムに挑むのは11月のつくばで、それまではにちなんを目標に楽しむ走りを追求します。沿道の応援に大声で応える楽しみ、味わったら病み付きですよ。


おっと、なんだか堅苦しくなりました。読み流してください。