にちなんおろちマラソン 完走記

torabon2004-06-20

にちなんおろちマラソン、前日には台風の影響で鳥取地方は風が強く嵐の前の
静けさ、みたいな天気でした。会場はすでに華やかに飾り付けられ、出店も多
く華やかなステージが展開していました。総勢600名に対し、韓国選手団は
100名。実に6人に一人が韓国選手。う〜ん、すごい。会場のあちこちでハ
ングルが飛び交い、ちょっとした異国情緒を味わうことも出来ました。それに
しても、彼らの元気と来たら・・・、明日はこの元気をしっかりもらっちゃお
う、と思った次第です。宿に着くと、土砂降りになり明日の天気に不安を感じ
つつ、8時半にはみな就寝してしまいました。

起床は2時半。天気予報では台風の速度が遅く、鳥取地方は影響を受けにくい
とのこと。外は小雨、これなら走りやすいな、と思い気合いも入ります。食事
を取り、健闘を誓い合い着替えを済ませ会場入り。最終エントリーは朝の4時
からで、早々に済ませます。もう会場の空は明るく、小雨と流れる雲と、薄日
が差してくる天気に、暑くなりそうな予感もしてきました。

韓国選手団の雄叫び*1とともにスタート。出だしはどうもペースが速い気がして、
時計で見るとキロ6分前半です。こりゃ早すぎると意識してペースを落とそう
としても、どうにも流れが止まらず集団がばらけるまでこのままで行こうと思
い流れに乗ったまま林道に。だらだら上る道は、きつくなく山間部で涼しいこ
ともあり走りは快調。山間から集落地を抜け、最初の関門36キロ地点へ*2。こ
こで4時間半と制限時間に1時間の余裕。このペースを維持できたら、と一人
にやけつつすぐ走り出しました。しかし、そこから第2関門の63キロまでは
完全に山の中、急勾配の上りが続き5キロを1時間かかっています。途中まで
一緒だった数人がここで脱落してしまいました。このころから雲が取れて、容
赦ない強い日差しとともに気温が急上昇。エイドでの速報ではすでに30度近
い温度になっているとのこと。各エイドでは頭から水を掛けてもらい、スポン
ジや給水をジャンジャカ取り、それでも次のエイドまでには喉も渇き頭からは
湯気が出てきてしまう始末。もう暑さとの耐久レースの様相でした。

制限時間20分前に63キロ関門*3まで到着。このころには前半のハイペースが
たたり、膝に少しの痛みと下り坂でかかとに痛みが出てきていました。上りで
は何とか走り続けるのですが、下りでは次々抜かれていくパターン。でも関門
で着替えを済ませ食事をして、リフレッシュ。ここで靴を履き替えたらきっと
もっと楽に走り終えただろうなと後悔する選択をしてしまいました。靴を変え
ず、ソックスだけを変えてしまいました。これがこのあと靴ずれを作る要因に。

ここから70キロまでは一気に400m上ります。いつになれば終わるのか、
気力を打ち砕くような上り道が続き、暑さと足の痛みに、エイドで長居をする
選手が増えています。私は明らかに最後尾集団を走っているのですが、それで
も長居をしてしまう選手の気持ち、自分の痛みを持って身に染みてわかりまし
た。一度座り込んだら、もう立ち上がれないだろうな、そう思うとなかなか座
り込む勇気も出ません。給水、トマト、塩、梅干し、レモン、口に入るものは
とにかく放り込み出発をします。もう足の痛みはちょっと、というレベルでな
く一歩踏み出す毎にズキズキします。頭の中は、この一歩をやめたら楽になっ
ちゃうよ〜、という誘惑が次から次に沸いてきます。あぁ、ここまで初出場で
よく走ったじゃん、って自分を慰めています。でも、それを蹴り散らすのが沿
道の声援でした。町中は言うに及ばず、林道でも、あぜ道でも、町民総出で選
手名簿を片手に、出身地を名前を呼ばれての声援にはこちらも思わず笑顔で応
えてしまいます。泣きそうな顔しているのに、きっと笑って声援に応えている
のだろうか、なんて思いつつ、涙を隠すべくサングラスをはめました(笑)
もう半泣き状態で走り続けます。痛いよぉ、疲れたよう、暑いようぉ、まるで
小学生のだだっ子みたいです。でも、キロ表示が80、85と確実に減ってい
くと、なんだか気分も軽くなってきます。92キロ関門*4では7分前に滑り込み、
ここでもう大丈夫。まだ1時間半くらい残っているからね、と励まされ足取り
も軽くなりました。もうゴールは目の前、そう自分に言い聞かせ歩くような速
さで足を前に出しています。もうゾンビのような動きだったかも・・・・。

96キロの最終エイド*5では、そーめんをおかわりし、飴やチョコをもらい、も
う歩いても完走だ、と励まされ飛び出しました。知らず知らずに涙が流れ、足
の痛みも忘れて走っていました。時計を見るとすでに14時間・・・あと30
分かぁ・・平気かな、などと思いつつ足取りは軽くなります。遠くでマイクか
らの声援がきこえてきたときには、我知らず大泣きしていました。最後は名前
を呼ばれ、ゴール。涙が止まらず恥ずかしかったけど、誰もが拍手をしてくれ
て感激もひとしおでした。
ゴール直後はもう絶対ウルトラは走らない!そう思った自分なのに、その後の
食事中にみんなで次はどこのレース?なんて話している自分がいて、走る気力
だけは十分じゃん、なんて自分を笑ってしまいました。
生ビールのおいしかったこと、まさにこの世の楽園!(笑)この一杯のために
今日一日走ってきたのかぁ?と思うようなうまさでした。

山道をとぼとぼ走っているときに、横から「ファイテン」と声を掛けてくれた
韓国選手*6にお礼を言いたかったけど、韓国語がわからず残念な思いをしてしま
いました。来年までに韓国語の会話を覚えて、もっと話せるようになって今回
以上に楽しいウルトラを味わいたい、と思いました。

それにしても、町民8000人に対し、その1割以上が大会に参加し、町民総
出の応援には頭が下がります。こちらで味わったことのない、声援の暖かさと
各エイドの励まし、これはまさに今年一番の思い出になりました。来年も絶対
参加するぞ〜〜!!

追伸)
デジカメ持っていったにもかかわらず、撮影なんて余裕は全くありませんでし
た。で、これが完走記念メダル。ずっしり重くて、最高の宝物です〜

*1:文字通り元気いっぱいでした。一緒にストレッチもしちゃいました

*2:関門は36.5km 制限時間5時間半

*3:制限時間9時間10分

*4:制限時間13時間10分

*5:制限時間13時間50分

*6:しっかり完走していました、おめでとう