オリンピック・女子マラソン

またもや食ってるし・・・いとしや

野口みずきはあの小さな体で月間1300キロを走り込んだとか。私が8ヶ月かかって走り込む距離をわずか30日で消化する・・・想像を絶する練習量。並の選手ならそこに至るまでに、故障をするのだろうが、故障無しで乗り切れるところが彼女の強さなのだろう。あの純真そうな目を見ていると、彼女の真摯な思いが伝わってくる。自らが走ることを楽しみ、勝つことを信じ、スタッフに身をゆだねる、そんなチームの運営が見事に結実したのだろう。
勝つ事へのこだわりは、凡人が見ていると痛いほどだ。私なら、たとえそこまで一流のスタッフが付いてくれても、勝つ事へのこだわりはもてないだろうと思う。勝つことの先に何が見えてくるのだろう。私がウルトラマラソンの先にはきっと何かある、そう信じて走ったように、野口の澄んだ目には今、どんな未来が見えているのだろうか。テレビ出演のギャラのアップ?全国のマラソン大会からのオファー?はたまた、ヌデレバラドクリフの挑戦状?
私としては、北京までは高橋尚子のように走り続けて欲しい。早川英里や坂本など若手の挑戦を真っ向から受ける、そんな度量の広さを望みたい。

ラドクリフの涙の訳は、走った彼女にしかわからないだろうな。でも、私にはわかる気がする。あの苦痛にゆがんだ顔、始めて見る女王の表情には、自ら信じてきた練習に対する回答が誤りであった事への後悔と、言うことをきかない体へのいらだち、そして打ち砕かれそうになる気力と誇り、それらがない交ぜになった顔だ。
しかし、私はまだ彼女があの独特のフォームで走りきる姿を見たい。高橋尚子との一騎打ち、を国際大会で是非実現して欲しい。

ここまで過酷で、しかし甘美な競技、マラソンってすごい。