奥武蔵ウルトラマラソン


始まる前から、会場は大にぎわい。みんながこの大会を楽しむために来ているのだ、と実感できる和やかさが漂います。主催者側も心得たもので、軽妙な語り口で開会式を進めていきます。いや〜、来てよかった、参加できてよかった、そう思ったものです。その時は、そう、その時までは。
スタート前にUMMLの仲間と記念撮影。私はこういう雰囲気に浸り、すっかりこの大会がウルトラだと言うことを失念してしまったようです。

走っている間に感じたことは、暑い、暑い、暑い・・・・。
にちなんでは前半の20キロくらいまでは坂道と言っても、なだらかでそれと意識しない程度に走れるのですが、ここは大違い。いきなり坂、それも急坂。うはは・・・こりゃすげ〜、と内心ぶったまげる私。

しかも坂道がみんな急。穏やかな優しい坂道(と言うものがあるのなら)ではなく、そびえ立つような坂道。歩いて登るのも大変だよな、って坂道を走る・・走る・・・ひたすら、汗をまき散らし、うめき声を上げ、痙攣の恐怖と戦いつつ走る。ひゃ〜、つらいわ、って初めて思いました。真夏の、こんな暑い時期にこんな坂をレースとして走るなんて信じられない(って、走っている自分は大馬鹿者か?)。

思えば6月の末のにちなんおろちから始まり、所沢8耐富士登山、と繋ぎ、奥武蔵までを走りきりましたが、これは死のロード4連戦、とでも呼びたくなる過酷な日程でしたね。来年もこんな調子で走る事なんて出来るのだろうか・・・・。不安ですよ、はっきり言って。(世間ではこれを変*とか呼ぶのだろうか・・・)

ところで、奥武蔵は坂道だらけなのに、フルマラソンの距離で測ったタイムは初マラソンのタイムより良かったのは何でだろう・・・・。苦しいと思いつつも、登り坂なら何とか登ってしまう私。にちなんと同じ光景・・・。

往路では登りがメインになりますが、復路では下りがメイン。私にとっての試練は復路からでした。残り20キロ、と表示で解っていても足が出ない。下りだから軽快に走れそうな気がしますが、ブレーキかかって走るどころか歩くくらいの速度しか出せない。膝から太股の裏側、最後はふくらはぎがピクピク痙攣の予兆を示すに至り、自分のふがいなさを嘆き天を仰ぐ始末。
エイドでも往路では元気な会話が楽しかったのに、復路ではほとんど無言でうろうろし、コーラとレモンが喉を通るだけ。挙げ句の果てはしゃがみ込む始末。めまいと腹痛と、体の火照りは止まらず、頭から水をかけてもらい帽子の中には氷を入れて走るも、すぐにふらふらになってしまう。後続のランナーに抜かれても、付いていく意欲もなくごぼう抜きされっぱなし。最後のとどめは、道が解らなくなり(分岐点があると矢印が書かれているのですが、時々それすら見失ってしまうほど朦朧としていたの鴨、初参加で道を知らないので不安になっちゃうんですよね)後続ランナーに教えてもらえるまでしゃがみ込んで待ってました。


またあまたあるエイドで食べないのは、体調管理が悪いから鴨しれません。私としては、エイドでの給食を元気に食べるのはサポートする人たちに対する礼儀だし、お礼の意味も込めてごちそうさまと言いたいんです。でも、今回もほとんどそれが果たせず、悲しい思いをしました。最後のエイドでは、もっと食べて行ってよと言われたにもかかわらず氷だけを口に入れるだけだった私。しゃがみ込んでいたときに、少し悔しくて泣きました。その後頭からじゃぶじゃぶ水をかけてもらい、泣き顔は見せずに済みました。


なんだか富士登山も厳しくてつらかったけど、今回のレースはそれを越えてつらかった気がします。楽しめたけど、それ以上に苦しかった一日。今回のレースでは、掲示板仲間にたくさん会えました。初めての人も多く、あちらこちらで助けられました。


このレースが私の中で本当に楽しいレースと昇華されるのには時間がかかりそうです。でも間違いなく、すばらしい大会です。出来れば来年も同じ道をウハウハしながら走り抜けたいものです。